日本はドイツとは同盟を組んで第二次世界大戦をともに戦い、敗れ、その後、互いに奇跡の経済復興を遂げました。1970年代には米日西独3台の機関車が世界経済を推進しているとまで言われました。
その後、西独は1989年にベルリンの壁崩壊を経て翌年には東ドイツと統一を果たしました。
巨大化するドイツを恐れる欧州の国々に対し、新生ドイツはフランスを前面に立てたEU欧州連合を推進し、ユーロ経済圏の経済的バックボーンとして縁の下の力持ちとなります。
話はアメリカに飛びますが、筆者が2008年から米国ワシントンDCに2度目の駐在を始めたころは、オバマ大統領の登場で” Yes, you can!” や” Hope” への期待に盛り上がっていた面と、一方でリーマンショック後の金融危機、不況に落ち込む暗いアメリカでもありました。
そんなワシントンの地元のシンクタンクやメディアが日本を取り上げる機会は少なく、政治的にもジャパンパッシング(日本が視野に入っていない)と言われた状況でした。
一方、ドイツはワシントンで結構目立っていました。ドイツが進める経済政策はもとより難民政策、イラン核合意の仲介など外交を通じた他国への働きかけが好意的に取り上げられ、報道されていました。
ドイツは第二次世界大戦後の復興をアメリカのマーシャルプランで支援してもらったお返しとしてジャーマンマーシャルファンドという数百億円規模の基金を持つNPO組織を1972年にアメリカ国内に立ち上げ、米国とドイツだけでなく、大西洋を挟む米国と欧州の間の様々な問題を取り上げ議論し解決を目指すという活動をしてきています。
また、ドイツの各政党はワシントンDCに事務所を設け、米政府や議会、シンクタンクとの交流を密に保っているようです。
そのような活動を通じて情報発信していくことで、米国内の少なくともリーダーや知識層はドイツの政策などに関する理解をタイムリーにかつ正確にアップデートできているように感じます。
そうしたドイツの様子をもう少し深く知ろうと駐在中のワシントンからドイツに出張したのが2010年代前半でした。 次回はその時に現地で伺った話をご紹介します。
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