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異文化の良さー外国人材から気づく日本の価値と異なることの大切さ②

Updated: Nov 25, 2020



アメリカンドリーム vs. ジャパンドリーム

筆者は長年のアメリカ駐在経験を通じ、「アメリカンドリーム」を信じて移民してくる人々や留学してくる海外の若者を身近に見たり彼らの物語を聴いたりしてきた。 


アメリカは努力と才能に対して平等であり、出身国や人種、信教、性別、年齢を問わず、実力を示せれば成功の梯子を昇っていけるという希望である。 


現実のアメリカには、住宅や学区での人種の区別的なものや「ガラスの天井」と呼ばれる女性の昇進の限界など真の平等ではない部分もまだあるが、「努力すれば報われる」感覚はアメリカには総じて残ることから上昇志向の強い移民や留学生は必死で努力、即ち勉強に勤しむ。そして、自分のキャリアを意識し、より高いところに昇れる梯子を見出せば躊躇せず転職或いは起業していく。 


優秀な外国人材を自らの組織にキープし続けようと思えば、その組織内で魅力的な梯子を見せてやり、努力すればどこまで昇れるかを示してやる必要がある。アメリカのマネジメントのスキルとして様々なバックグラウンドを持つ人材に夫々の長所を生かしながらより高い能力を発揮させるいわゆるダイバーシティマネジメントが問われるのはそういった優秀でハングリーな社員を組織内に囲い込み、成長させる必要があるからである。


一方、日本を目指す外国人材も夫々夢を持ってやってくる。これまでの彼らとのやり取りで感じるのは、彼らが必ずしもアメリカのような上昇志向を夢の中心に据えているのではなく、前出の日本的価値観を自分なりに極め、夫々に持つ将来の「ありたい姿」に近づいていこうとするものといえる。 


双六でいう「上がり」の姿がクリアではないが、自分の価値観とフィットする日本で何がどこまで可能か腕試ししてみたいといったところであろうか。 


アメリカを目指す外国人材と同様、彼ら、彼女らも「自分のキャリア」という意識は強い。 従い、就職する会社で自分はどこまでの成長が可能かを想像し、そこに近づくために会社はどういった職場環境や機会(職責、配置や研修)をくれるのかという思いは強い。 ただ、アメリカの場合に比べ、収入や昇進といった価値だけを目指すものではないと感じる。

 
 
 

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